テレビ東京の『モーニングサテライト』

テレビ東京の『モーニングサテライト』







金児昭著『ビジネス・ゼミナール・会社経理入門』という書籍を紹介する。


私が読んだ日本経済新聞社のゼミナールシリーズは全て分かりやすくて良い書籍でした。この金児昭氏著の『ビジネス・ゼミナール・会社経理入門』もご多分に漏れず、分かりやすい書籍でした。


『ビジネス・ゼミナール・会社経理入門』では、経理部を一年に分けて経理の仕事を説明しています。4月は経理の基本的な概念に関して、予算管理、制度会計、管理会計について説明してあります。会社の活動は、計画(PLAN)→指示・伝達実行(DO)→記録・集計分析・評価(SEE)→計画という経営管理サイクル(マネジメント・サイクル)の流れの中で次第に規模が大きくなっていきます。会計には制度会計と管理会計があります。経理には社会的に承認された会計基準によって作成された財務諸表を要求されます。制度として定められているから制度会計と言われています。また、株主・債権者をはじめ多くの関係者に財務の状況を報告することから財務会計とも呼ばれ、さらに、財務会計の重点は外部への報告であることから外部報告会計とも呼ばれています。制度会計とは、ルールに則って事業の情報を正確かつ迅速に示す会計のことです。一方、管理会計は、原価計算、利益計画、予算統制、経営分析など、金額の他数量を掴み、数字の背後にある経営活動を解析し、業績向上に役立つ会計のことです(12頁参照)。


5月は「会社とは何か」です。決算書が取締役会に提出されるなどの定時株主総会までの業務日程が示されています。会社の種類、取締役と監査役について、大中小会社の説明(38頁参照)などが記載されています。しかし、この箇所に関しては、平成17年に会社法が制定され、会社区分に関する規定、会社機関に関する箇所が大幅に改定されました。以前の商法特例法にて、大会社、中会社、小会社という三区分だったものが、新会社法では、資本金5億円以上、または負債総額が200億円以上の株式会社を大会社とし、それ以外を中小会社とする二区分になりました。有限会社がなくなり、会社の種類は、株式会社と持分会社だけになりました。持分会社には、有限責任社員と無限責任社員の有無で、合同会社、合資会社、合名会社に分かれます。株式会社は、委員会設置会社とそれ以外の会社に分かれます。会社の機関も選択性になり、株主総会に加えて、①取締役のみ、②取締役+監査役、③取締役+監査役+会計監査人、④取締役会+会計参与、⑤取締役会+監査役、⑥取締役会+監査役会、⑦取締役会+監査役+会計監査人、⑧取締役会+監査役会+会計監査人、⑨取締役会+三委員会+会計監査人の会社機関形態を取ることになります。ただし、大会社は会計監査人を置かなければならないなどの、大会社、中小会社、公開会社、非公開会社の別による条文、規制があるため、選択可能な会社機関形態の選択肢が絞られます(大会社は、③、⑦、⑧、⑨からの選択になります)(『ゼミナール・会社法入門・第6版』岸田雅雄著参照)。また、経理人には、正確さ、公平さ、迅速さの三つが求められると述べています(53頁参照)。


6月は株主総会に関して。6月に定時株主総会をしなくてはならないという規定はありませんが、日本で株主総会が一番多く催されるのが6月です。株主総会は決算後、3ヶ月以内に行われなくてはならず、その前に取締役会での承認、召集通知の送付等のタイムスケジュールがありますので、3月決算会社の株主総会は6月になってしまいます。3月決算会社が多いので6月定時株主総会が多いのです。法人税の納付(79頁参照)、経営分析(82頁参照)にも触れられています。7月は簿記の基本。経理の取引は、資産、負債、資本、収益、費用の増加・減少するもの言います(107頁参照)。8種類の取引の具体的な「仕訳」を、最後にそれらの「元帳」に記入します。加えて、貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)、企業会計原則(112頁参照)などの会計の基本、受払残表(123頁参照)などにも触れてありました。企業会計原則は、①真実性の原則、②正規の簿記の原則、③資本・利益(剰余金)区別の原則、④明瞭性の原則、⑤継続性の原則、⑥安全性(保守主義)の原則、⑦単一性の原則です。損益計算書の原則は、①発生主義の原則、②総額主義の原則、③費用収益対応の原則です(123頁参照)。


8月には貸借対照表(B/S)の細かい説明(142頁参照)。9月は損益計算書(P/L)の細かい説明(176頁参照)です。利益には、売上総利益(=粗利益)、営業利益(又は営業損失)、経常利益(又は経常損失)、特別利益(又は特別損失)、税引前利益(又は税引前損失)、当期利益(又は当期損失)の六つの利益があります(189頁参照)。当期利益から法定の処理により利益処分案が策定され、配当額などが決定するのです。月次決算に関しても記載されていました(194頁参照)。経理は決算月と中間決算月だけ決算をしているわけではありません。毎月、月末に締め、月毎に暫定的な決算をしています。10月は中間決算の準備に関して(212頁参照)。半期報告書(212頁参照)や有形固定資産における減価償却費の定額法、定率法に触れていました(215頁参照)。収益・原価計算からみた設備投資の3原則は、①減価償却費の源である設備投資の内容および金額のあるべき姿を考え、②その設備投資に伴って発生する借入金等とその金利等のコスト節減を望み、③利益に責任をもつ立場から投資金額の無税償却を推進したいという意向をもつようになることです(239頁参照)。11月は中間決算について。中間配当(246頁参照)、中間決算短信(248頁参照)の説明が記載されていました。手形の処理(250頁参照)、財務諸表における資本の部の評価(262頁参照)についても述べられています。12月には、原価計算(281頁参照)、損益分岐点(295頁参照)について説明していました。最低限これだけの売上をあげなければ赤字になってしまう境目の点が損益分岐点です(296頁参照)。1月には、資金の循環(313頁参照)、資金調達(319頁参照)、資金管理などの説明(329頁参照)。資金繰りは会社の生命線です。例え赤字になっても資金繰りが正常ならば倒産することはありませんが、例え黒字でも二回不渡りを出したら企業は倒産してしまいます。資金の循環は企業経営の中で一番重要な要素です。資金管理の目的は、①支払い能力確保、②高資金回転、③低コスト資金調達、④財産保全、⑤財テク(330頁参照)です。2月は、法人税務の説明について(344頁参照)。会計上の利益と税法上の所得は異なります。商法や適切な会計慣行によって導きだされた決算利益を基に、税法特有の修正を加えることによって、税務上の利益(所得)が算出されます(347頁参照)。法人所得計算の7つの原則として、①公正妥当な処理、②収益の計算は発生主義による、③費用収益対応の原則、④債務の確定、⑤確定決算、⑥損金経理、⑦継続性の原則を挙げています(350頁参照)。3月は、いよいよ事業年度の終わりの月、3月。決算についてです。連結決算について説明してあります(381頁参照)。上場企業は有価証券報告書に記載するセグメント情報などについて説明してあります(392頁参照)。


この金児昭氏著の『ビジネス・ゼミナール・会社経理入門』を読めば、経理業務の基本的なことは大体、理解できると思います。経理部に配属され、経理の業務に従事される方にはお勧めの書籍です。