令和2年8月24日、別冊ニュートンの『虚数がよくわかる』という本を読破しました。

令和2年8月24日、別冊ニュートンの『虚数がよくわかる』という本を読破しました。


別冊ニュートンの『虚数がよくわかる』を読み、つくづく『ニュートン』は素晴らしいと思いました。虚数という難解な概念をあんなに分かりやすく説明できるとスゴイと思いました。虚数発見に関わった数学者のカルダノも「虚数(負の数の平方根)を詭弁的なもので、実用上の意味はないだろう」と述べていましたが(51頁参照)、現代社会において、虚数は、スマートフォンやパソコン、量子コンピューターなどの最先端のテクノロジーにはなくてはならないものになっています(157頁参照)。素粒子物理学の一分野や、ロケット・人工衛星の姿勢制御技術、ゲームなどの3Dグラフィックなどでも活用されています(89頁参照)。虚数は現代のハイテクノロジー社会においては欠かせない数学的概念なのです。

虚数の特筆すべき素晴らしい機能は、代数学の基本定理において、ガウスが「複素数の中では、複素数を係数にもつすべてのn次方程式(n>0)が解をもつ」ということを証明した定理です(101頁参照)。つまり、複素数を使用すれば解けないn次方程式はないということです。どんなn次方程式でも、複素数の範囲で考えれば、必ず解をもつという画期的な概念です(84頁参照)。ちなみに虚数とは、2乗するとマイナスになる数で(44頁参照)、複素数とは、実数と虚数という複数の要素が足し合わされてできた数です(54頁参照)。

結局、「数」というものはすべて、自然界にそのまま実在するものではなく、自然界を記述するために人間が頭の中につくった「モデル」あるいは「概念」だと言えます。その意味で、数は一種の「言語」であるとも言えます。そして、物理学とは、「自然界にあらわれる法則を、数学という言語を使って描写する営みなのです(159頁参照)。虚数という概念の発見が量子力学などの学問やハイテクノロジーの進化に貢献しました。虚数の次には、どのような数の概念が発見されるのでしょうか?新たな数の概念の発見が、学問のさらなる発展とテクノロジーのさらなる進化を推し進めていくことでしょう。新たな数が発見されることを期待したいです。

私は、この本を読んで、数学では、すべてのものを正確に描写できないと思いました。それは、数学的には、0.9999999・・・・=1であること。感覚的には、0.9999999・・・・<1のように思えますが、数学的には0.9999999・・・・=1なのです(38頁参照)。近似値であり、無理数がある限り、数学では差異を無視して描写しているということ。無理数がある限り、数学ではすべてのものを正確には描写できないという数の限界を感じました。

別冊ニュートンの『虚数がよくわかる』は、非常に分かりやすく、本当に面白かったです。虚数という難解な概念をものすごく分かりやすく説明している編集者の優秀さに脱帽した本でした。